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2007/02/15

正しいかどうかわからないことを実現する

いつも読ませていただいているMAGISにこんなことが書かれていました。

正しいとわかっていることを学ぶのはつまらない。
寧ろ,正しいかどうかわからないことを考えるのが面白い。

確かにそうですね。わかりきったことを積み上げる喜びもありますが、これからの未来にわくわくしながら歩んでいく喜びも捨て難いものがあります。でも、正しいかどうかわからないことを、計画的に行うことは難しいのです。

ソフトウェア開発の世界にも同じようなお話があります。ソフトウェアを開発するときは、ゴールを定めて、設計し、開発し、確認する、というステップを踏んで開発することが一般的です。建物を建てるときに、外観から設計図を経て建設、確認となることをイメージしてもらえば良いと思います。これを、段々になった滝に見立てて、ウォータフォール開発と呼びます。

ウォータフォール開発では、ユーザは正解を知っている、開発者は正しく理解できる、技術が変わらないという前提で進められますが、これらの前提が成り立たないと滝の横から水がこぼれてしまいます。そんなときに幸せな結果を得るためには、前提が不安定な場合に適した方法が必要です。

そもそも、良くわからない状態で、すべての設計図を詳細に書くことが困難だったのです。建物を建てる場合でも、他の建物を見たり、ショウルームを見たりしないとイメージがわかないでしょう。要望をきちんと伝わらないと家が出来上がってから、「こんなはずじゃなかった」と言うことになりかねませんし、途中で法律が変わったら対応しなければなりません。

そこで、どういう方法をとるかと言うと、試してみる、少しずつやる、必要なことだけやる、変更はいつでも受け付ける、いつも良い状態を保つ、ということを繰り返します。

「百聞は一見にしかず」と言いますが、頭で考えているのと実物を見るのでは大きく違います。図面をみてXXcmあるから大丈夫と思っても、ショールームで見ると違うものです。思い悩んでいるだけでなく、やってみないとわからないのです。問題になりそうなところを見つけ出して、試してみるのです。これをプロトタイピングと言います。

では、何でもかんでもとりあえずやれば良いかというと、それも違います。将来に向けて、すでにわかっている大事なところを実現し、問題が生じそうなところは見極めなければなりません。いつかは達成したいゴールではなく、確実に実行できる短期間(イテレーション)ごとに目標を立て、目標を見直しながら、インクリメンタル(漸進型、スパイラルとも呼びます)に実現していきます。

この開発方法は、変化を許容する方法です。ユーザの要望を取り入れつつ、より良いソフトウェアを開発する方法です。社会の変化にも対応可能です。変化に機敏に対応することからアジャイル開発と呼ばれます。大きなソフトウェアの開発にはあまり向きませんが、ユーザが直接操作するような実現が困難なソフトウェアに適した開発方法です。

日本の木造住宅がこれに近いかもしれません。家庭を持つときは小さな家を建て、家族が増えるごとに、増築したり、離れを建てたりします。重要なのは木造であること、土地を少し広くしておくことです。わからない未来のために可能性を残すのです。立派なお城を建てることはできませんが、必要十分な幸せを得ることができます。

人生の目的は幸せになることです。あなたが夢に描くゴールは容易なものでしょうか?最終的なゴールまで見通して、詳細な計画ができるでしょうか?そのゴールは本当にあなたが求めているものでしょうか?

できないことを思い描いても、実現できません。もしゴールを見失いそうなときは、達成可能な目標を立てて、一歩ずつ、しっかりと、しかも楽しくやる、それが重要ではないでしょうか?そのうちに本当のゴール(幸せ)が見えてくるでしょう。

思い悩むことはないのです。あきらめから始まる未来もあるのです。

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» 待つということ トラックバック I guess so...
世の中、夢とか目標とか、叶えるべきものは叶えたい、手に入れるべきものは手に入れたい、と思うのが常。 次から次へと満足を求めて止まないのは、果たして幸せなことなのでしょうか。 それよりも、何か小さなことでもよいから、‘叶う’出来事と出会ったり、何かを手にして嬉しいと思える事と出会えたりした時に、静かにそれを受け止めることができるための空白を、心のどこかに持っていればそれで毎日が楽しく事足りて行くのではないかな、と思っています。 お腹が空いている時の方が、何を口にするにしても食事がおいしく感じられるよ... [続きを読む]

受信: 2007/02/16 02:57

コメント

初めまして、booと言います。
今回、勝手ながらこちらに初めてトラックバックをさせていただきました。

「わからない未来のために可能性を残す」
自分で気づいているようでもいざとなると目の前のあれこれに惑わされて見失いがちなスタンスだと思います。
この記事を読んで、改めて確認することができました。

投稿 boo | 2007/02/16 03:15

いらっしゃいませ.
トラックバック&コメントありがとうございます。
苦しいときは目の前のことで精一杯ですが、ちょっと視野を広げると、答えが落ちているような気がしています。

#相互リンクさせていただきました。

投稿 さかば(管理者) | 2007/02/17 00:53

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