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2006/12/09

愛(アガペー)が欠けている現代社会

入門講座で,どんな人にもある3つの心を教わりました.

祈りの心(アガペー):相手優先の心です.一方通行でお返しを求めない心で,夫婦に必要なそれでも良いと言う心です.

商売の心(フィリアン):友情の心です.ギブ・アンド・テイクの商売のようなお互い様の心です.

強盗の心
(エロス):求める心です.自分中心に考える奪う心です.

愛にはアガペーとエロスがあると倫理・社会で教わった人も多いでしょう.神父様はキリストの受難で説明をされました.

「十字架につけられる」(ルカ23・39-43)では,キリスト(救い主:メシア)と共に十字架にかけられた犯罪人が,「お前はメシアではないか。自分自身と我々を救ってみろ」と言います.すると,もう一人が「イエスよ、あなたの御国においでになるときには、わたしを思い出してください」と言いました.するとイエス・キリストは「はっきり言っておくが、あなたは今日わたしと一緒に楽園にいる」と言われます.

この犯罪人が救われたことに対して,犯罪者の家族のように愛のある人なら,好意的に「良かった」と思えるでしょう.これが祈りの心(アガペー)です.犯罪者なのにゆるされるなんて不平等だ「甘い」と思うなら,商売の心(フィリアン)です.また,被害者であるなら,犯罪を犯しておいて「ゆるせない」と思うでしょう.それが強盗の心(エロス)です.

このお話をうかがって,アダルト・チルドレンのことを思い出しました.アダルト・チルドレンは条件付きの愛情などによって心に傷を負った人です.アダルト・チルドレンを3つの心にあてはめて考えていると,現代社会の問題に気付きました.

私たちのように戦争を知らない世代は,自由や権利に敏感です.子どもと親の関係も上下関係から対等になり,友達のような関係になりました.そこでの心は,自然と商売の心になっているのではないでしょうか?

戦争が終わって欧米から自由と権利を輸入したときに,アガペーの輸入を忘れたような気がします.もちろん現代の欧米にも同じような病があります.それも元々あったアガペーが,ビジネス主義や形式主義によって失っているのだと思います.これまでになかった問題が多く発生する現代社会は,アガペーが欠けているんだと思います.

最近,かつての秩序ある日本を取り戻そうとする動きがあります.確かに昔の方が良い面もあったと思います.しかし,それは上下関係や思想が良かったのではありません.かつての上下関係にはアガペーがありました.師弟関係にあるなら,師匠は役割や仕事としてではなく優しさから面倒を見ていたでしょう.また,昔は知らない人であっても,苦しんでいるなら声をかける優しい文化がありました.取り戻すのは昔の仕組みや思想ではなく,そんなアガペーの心なのでしょう.

では,アガペーの心は何で取り戻せるのでしょうか?キリスト教のように苦しみを感じる人に対して,アガペーを与えられる宗教であるなら,それも一つの答えでしょう.しかし,欧米の状況を見るなら,それは原理主義に走る可能性のある信仰心を育てることではなく,愛(アガペー)を実践する心が必要なのだと思います.

このように考えると,映画の「ペイ・フォワード」のような愛(アガペー)を広める運動が,現代社会を変えるような気がしています.

(聖書の引用は日本聖書協会 新共同訳)

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