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2006/03/23

叙階の秘跡 その2

前回に引き続き、勉強会のテーマは「叙階」でした。
叙階は司教、司祭、助祭といった地位に置かれる際に行われる秘蹟です。「レビ人の任務」(民数記1・47-54)は旧約聖書の時代の、儀式を行う権限を持つ祭司職が書かれています。ここに書かれているレビ族は他の部族と区別され、祭儀にあたらされました。「祭司聖別の儀式」(出エジプト記29・1-9)は、神との間をとりなす祭司という特別な職につく、特別な儀式のあったことが書かれています。

(ヘブライ7・26-28)では、決定的な違いをもたらすいけにえがイエス・キリストであり、レビ族からキリスト教の祭司職へ変わったこと、神と人間の唯一の仲介者こそキリストであることが示され、(ヘブライ5・7-10)メルキゼデクと同じような大祭司であるとされています。

羊やパンでなく、神の御子であるキリストを最大のいけにえとして捧げたことを再現することがミサです。キリストという尊いいけにえを捧げ、いただくのです。

プロテスタントでは万人祭司職といって、すべての人が祭司職にあずかっているという考えがあり、信者は司祭とみなされます。カトリックでは共通祭司職と言い、クリスチャンはいけにえを神にささげなければいけないことは、信徒も司祭も同じとされています。

叙階による祭司職は、位階的祭司職と呼ばれ、特別に聖別されたものとして任務にあたります。司祭は神の代理として行動し、すべての人たちのいけにえを受けとめ、代表して捧げます。

司祭も弱さに包まれた者と同じで、短期、傲慢、物を大事にしないなど、過ちを犯します。しかし、司祭としてミサやゆるしの秘蹟などの役を果たすときは、尊い神の代理で、どの司祭であっても恵みは同じです。ついつい司教が折られると、司教からいただきたくなりますが、聖体を授かるときも、誰から授かっても同じです。

「ヤコブとヨハネの願い」(マルコ10・35-45)では、12人の弟子たちに出世欲があり、ヤコブとヨハネは他の10人を出し抜いて上に立とうとしたお話です。キリストは上に立つものは皆に仕えるものになるとされ、地位は奉仕するための地位であると言われます。これは、最後の晩餐の前に弟子たちの足を洗われたのと同じことです。愛の心を持たなければ奉仕する人になれません。

叙階式では、まず司教が、司祭に選ばれる人を呼び出します。この人は神学校で6年たち、本人が希望し、上長が認めて推薦された人です。本人に依存がなければ、式が始まります。司祭に選ばれる人は祭壇の前で寝て、自分が弱く、罪深いものであることを示します。そして、皆で祈りを捧げ、聖書や祭服をいただきます。そして、キリストの代わりにミサ・ゆるしの秘蹟など特別な役割を担うために、手を合わせて油を塗ってもらいます。そして司祭団の方達が手を置いて祈ります。そして、最後に司教(と後に続く司教)に従順の誓いをします。

司祭は司教に従順の誓いをしますので、転勤も断れません。また、学校や病院といった予想外の仕事を任されたり、司教職の一部を引き受けることもあるそうです。いずれの場合も断ることはできないので、それなりに仕事を乗り越えなければなりません。

司祭は特別な霊的なしるしをいただきますので、基本的には司祭職から離れることはできませんが、独身を守れないときなど還俗(げんぞく)願いを出して、離れることもあるそうです。

12使徒はヨハネを除いて既婚者でしたが、(一コリント7・32-34)で聖パウロが独身であることが望ましいとされたことから、カトリックでは独身制をとっています。東方教会では既婚者を司祭にすることもあるそうですが、カトリックでは助祭のみ妻帯が赦されます。これは、妻帯した際の給与の問題もあるようです。

また、叙階は男性のみですが、プロテスタントでは女性や妻帯者も許されているそうです。カトリックでも、司祭不足から妻帯者や女性を認めるという意見もあるそうですが、当面はないようです。

司祭は75歳になると引退もできるようですが、今の状況では元気なうちは働かざるを得ないそうです。司祭不足解消のために、ベトナムなど海外の候補生に日本の神学校に入ってもらっているようですが、司式をするには日本語2級が必要だそうです(感謝しなければいけませんね)。

司祭不足はヨーロッパも同じようです。かつてキリシタン時代は少数の司祭だけでしたが、信徒たちで信仰を深めていました。最後に神父様が、信徒が司祭から独立することが求められているかもしれないとのお話は、ついつい神父様に依存してしまっていることを反省させられました。

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